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Journal club 2026

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Xiaomeng Tang et al.(2026) Metabolically regulated proteasome supramolecular organization in situ

Cell. 2026 Feb 19;189(4):1153-1169.e16. doi: 10.1016/j.cell.2025.12.035.

PSGはプロテアソーム三量体の積層によって形成される準結晶構造である。

これまでの研究から、プロテアソーム貯蔵顆粒(PSG)のように、多様な非膜オルガネラが形成されることが知られている。しかし、その形成過程や構造の理解は、細胞内構造解析の解像度の限界によって妨げられてきた。本研究では、in situクライオ電子トモグラフィー(cryo-ET)を用いて、PSGの形成過程および構造の観察を行った。

対数増殖期の細胞では、プロテアソームは主に核内に観察された。一方、静止期へ移行中の細胞では、不活性型プロテアソームが三量体を形成し、核膜孔周辺に多く局在していることが明らかとなった。さらに、静止期まで培養した細胞を観察した結果、PSGは三量体化したプロテアソームが繊維状に積み重なり、それらが束状に配列した準結晶構造(paracrystalline arrays)であることが示された。

また、三量体形成時にRpn9が隣接するプロテアソーム同士の接触に関与していることが示唆されたため、rpn9Δ株を用いて解析を行ったところ、三量体およびPSGの形成が阻害された。一方、著者らは他の欠損株についても解析を行ったが、それらではPSG形成が確認された。

最後に、PSG形成過程を理解するため、プロテアソーム間距離を経時的に測定した。その結果、三量体プロテアソーム間の頭部間距離および側面間距離はいずれも同様の傾向で短縮していた。このことから著者らは、三量体が繊維形成と束形成を同時に進行させることで、PSGが形成されると考察している。

本研究により、PSGの構造および形成過程が明らかとなった。特に、PSGが従来考えられてきた液-液相分離(LLPS)による凝縮体ではなく、準結晶構造であることが示された。

また、本研究は、他の非膜オルガネラについても、必ずしもLLPSによる凝縮体ではない可能性を示唆している。    (紹介者 : 田中照)

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Liao et al. (2025) Tom40 functions as a channel for protein retrotranslocation in the mitochondria-associated degradation (MAD) pathway. Commun Biol 8, 1122. https://doi.org/10.1038/s42003-025-08549-z

ミトコンドリア外膜のTOM40複合体はミトコンドリア関連分解(MAD)における基質のレトロトランスロケーションに関与する

ミトコンドリアタンパク質の分解経路の一つとして、マトリックス内のタンパク質をサイトゾルへ逆行輸送(レトロトランスロケーション)し、Cdc48などの隔離酵素を介してユビキチン-プロテアソーム系により分解するミトコンドリア関連分解(MAD)がある。本論文では、単離したミトコンドリアを用いたin vitroの実験系でMAD基質Kgd1の放出量を調べることにより、MAD基質の輸送が外膜のタンパク質搬入に関わるTOM40複合体を介していることを明らかにした。また、基質の放出はATPに依存的・膜電位に非依存的であることを見出した。本論文では、TOM40の構造的阻害やTOM複合体のサブユニットの欠損により基質の放出量が減少したことから、基質の輸送がTOM40を介していることを確かめている。しかし、TOM複合体の変異による影響は、MAD基質のCdc48へのリクルートに関わるDoa1の欠損といった、通常時と異なる条件においてのみ認められた。加えて、MADで分解されるKgd1は数%程度の少量であったことから、プロテアーゼによるタンパク質分解や、マイトファジーなどが存在するミトコンドリアの品質管理においてMADがどのような意義をもつのか疑問が残る。また、著者らは先行研究において酸化的ストレス条件下でKgd1とCdc48の相互作用が増えることを確認しているが、このようなストレス条件下ではMADがどの程度影響をもつのかについても、今後の研究成果を期待したい。(紹介者:関本)

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