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ストレス応答性の糖鎖修飾
出芽酵母のHsp30pは、細胞膜上に局在する7回膜貫通型のヒートショックプロテインです。熱ショックストレス以外にもエタノールストレスや酢酸ストレス処理によって発現が誘導されます。Hsp30pのN末端に存在するシグナルペプチ ド領域内には、N-型糖鎖付加のモチーフと一致する配列Asn-Asp-Thrがあります。これまで糖鎖修飾を実際に確認した報告はなく、細胞膜上での局在状態などタンパク質レベルの情報も限定的でした。私たちは、Hsp30pが実際に糖鎖修飾を受けることを確認したのですが、興味深いことに、周囲の環境や温度の変化に依存して糖鎖修飾が生じたり生じなかったりすることを新たに見出しました (Kamo et al., 2012)。Hsp30の場合は42℃以上のシビアな熱ショックストレス などN型糖鎖修飾されたHsp30pの発現が誘導され、さらにストレス耐性を賦与する能力にも違いが確認されました。細胞内にはHsp30p以外にも、ストレスや温度に応答して糖鎖修飾パターンが変化するタンパク質がまだまだ存在していると私たちは予想して、ほかの膜タンパク質についても網羅的な解析を進めています。
K. Kamo, A. Takabatake, Y. Inoue, and S. Izawa (2012) Temperature dependent N-glycosylation of plasma membrane heat shock protein Hsp30p in Saccharomyces cerevisiae. Biochem. Biophys. Res. Commun. >>PubMed


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